新潟に年5回通い続けて、もう10年以上になります。
きっかけは学生時代のスキー旅行でしたが、今では温泉と食が目的のほぼ「第二の故郷」です。
はじめまして、トラベルエディターの桐山奈々です。
温泉ソムリエの資格を持ち、国内のラグジュアリーな旅を専門に取材・執筆しています。
「新潟って、冬のスキー以外に何があるの?」と聞かれることが本当に多い。
正直、もったいないと思います。
実は新潟には、知る人ぞ知るハイエンドな体験が数多く揃っているんです。
東京から上越新幹線でわずか2時間。
この距離感で、これほど贅沢な温泉・食・自然体験が集中している場所は他にないと断言できます。
箱根や熱海のような定番リゾートとは違い、混雑とは無縁。
静かに、本物の「極上」を味わえるのが新潟の強みです。
この記事では、温泉ソムリエとして泉質を知り尽くした私が、新潟の「極上」を堪能するための旅プランをご紹介します。
温泉はもちろん、食、日本酒、アクティビティまで。
読み終わる頃には、きっと新潟行きの予定を入れたくなるはずです。
Contents
新潟が「隠れたハイエンド旅行先」である理由
温泉地数全国3位、しかも泉質が多彩
新潟県には、宿泊施設のある温泉地が137か所あります。
これは全国第3位の数字です。
しかも県内30市町村すべてで温泉が湧き出ている。
エメラルドグリーンに輝く硫黄泉、日本三大薬湯に数えられる塩化物泉、希少なラジウム泉、目に効くとされるメタホウ酸を含む温泉。
泉質のバリエーションがここまで豊かな県は、全国を見渡してもなかなかありません。
そしてもうひとつ、温泉好きにはたまらない事実をお伝えしておきます。
温泉ソムリエ制度の発祥地が新潟県妙高市の赤倉温泉であることをご存じでしょうか。
温泉ソムリエ協会は2002年にこの地で創設され、現在約35,000名が認定を受けています。
新潟は温泉を「味わう文化」そのものの原点。
だからこそ、温泉にこだわった旅をするなら新潟が最適なんです。
酒蔵数日本一、食のレベルが桁違い
新潟の酒蔵数は91蔵で全国1位。
この数字だけでも驚きですが、さらに大事なのは質の高さです。
雪解け水のミネラル豊富な軟水、酒造好適米「五百万石」。
この組み合わせが生む、口当たりが柔らかくまろやかな日本酒は、新潟でしか味わえない逸品です。
酒蔵見学ができる施設も多く、今代司酒造は新潟駅から徒歩15分の立地で気軽に訪問できます。
食材のレベルも桁違い。
- 魚沼産コシヒカリ(日本最高峰のブランド米)
- 日本海の高級魚のどぐろ
- 越後本ズワイガニ
- 村上牛(新潟が誇る黒毛和牛)
- へぎそば(布海苔をつなぎに使う新潟独自の蕎麦)
高級旅館で供される新潟の食事は、素材の力がとにかく圧倒的。
都心の高級レストランとはまた違う、産地でしか味わえない贅沢がここにはあります。
しかもどの旅館も「地元の食材で勝負する」という姿勢が一貫しているので、食事のハズレがほとんどないのも新潟の大きな強みです。
温泉ソムリエが厳選する新潟の極上温泉宿
数え切れないほど新潟の温泉宿に泊まってきた私が、泉質・空間・食のすべてにおいて自信を持っておすすめできる4軒を紹介します。
白玉の湯 華鳳 別邸 越の里(月岡温泉)
2025年「プロが選ぶ日本のホテル・旅館100選」で総合1位に輝いた宿です。
各フロアわずか4室限定のスイート構成で、全20室中13室に展望露天風呂が付いています。
月岡温泉の泉質は、硫黄含有量が全国でもトップクラスの含食塩硫化水素泉。
お湯はエメラルドグリーンに輝き、入浴後の肌がしっとりと吸い付くような仕上がりになります。
私が初めてここに泊まったとき、翌朝の肌の違いにはっきり驚いた記憶があります。
里山の景色を眺めながら、時間を忘れて湯に浸かる。
チェックイン後に部屋の露天風呂に浸かり、夕食前にもう一度大浴場へ、翌朝は朝日を浴びながらまた湯船へ。
この宿に泊まると、自然と何度も温泉に入りたくなります。
新潟のハイエンド温泉体験の頂点と言っていい一軒です。
里山十帖(南魚沼市)
雑誌『自遊人』編集長・岩佐十良氏が手がけた、築150年の古民家リノベーション宿。
2014年に宿泊施設として初めて「グッドデザイン賞 BEST100」を受賞した、建築・デザイン好きなら一度は泊まりたい場所です。
全13室、いずれも異なるコンセプトで設計された客室。
7階の展望露天風呂「天の川」から望む日本百名山・巻機山の姿は圧巻です。
食事も独特で、野菜と山菜を主役にした創作料理は、ここでしか出会えない味。
「泊まる」という行為そのものがアート体験になる、唯一無二の宿です。
口コミでも夕食の独創性と露天風呂からの景観は絶賛されている一方、「もう少し湯温が高いと嬉しい」という声もあります。
ただ私としては、ぬるめの湯にゆっくり長く浸かるのもまた新潟らしい温泉の楽しみ方だと感じています。
著莪の里 ゆめや(岩室温泉)
二千坪の敷地にわずか10室と離れ1棟。
この贅沢な空間の使い方だけで、ここがどんな宿か伝わるはずです。
純和風数寄屋造りの建物、自家源泉100%の客室露天風呂。
食事は旬ののどぐろや越後本ズワイガニが供されます。
どの季節に訪れても、新潟の海の幸が最高の状態で味わえる。
静かに、とことん二人きりの時間を過ごしたいカップルや夫婦に最適な宿です。
「何もしない贅沢」を本気で体現している場所は、実はそう多くありません。
記念日や特別な節目の旅行先として、ゆめやを選ぶ方が多いのも納得です。
酒の宿 玉城屋(松之山温泉)
松之山温泉は、草津・有馬と並ぶ「日本三大薬湯」のひとつ。
800万〜1200万年前の化石海水が源泉という、他の温泉地にはない圧倒的な個性を持っています。
湯の色は褐色がかり、石油に似た独特の香りがする。
好みは分かれますが、温泉好きほどハマる泉質です。
玉城屋では、ミシュランガイド新潟で一つ星を獲得したシェフの料理を味わえます。
小規模だからこそ行き届くおもてなしと、濃厚な源泉かけ流し。
温泉と食、両方に妥協したくない方にはここを真っ先におすすめします。
| 宿名 | 温泉地 | 泉質の特徴 | おすすめポイント |
|---|---|---|---|
| 越の里 | 月岡温泉 | エメラルドグリーンの硫黄泉 | 美肌効果、全室スイート |
| 里山十帖 | 南魚沼 | 展望露天からの山岳景観 | デザイン、創作料理 |
| ゆめや | 岩室温泉 | 自家源泉100%かけ流し | 静寂、二人旅向き |
| 玉城屋 | 松之山温泉 | 日本三大薬湯の濃厚泉 | ミシュラン料理との組み合わせ |
目的別で選ぶ、新潟温泉の泉質ガイド
温泉ソムリエの立場から、目的に合わせた泉質の選び方をお伝えしておきます。
新潟は泉質の種類が本当に豊富なので、「自分が今求めているもの」から逆算して温泉地を選ぶと満足度がぐんと上がります。
| 目的 | おすすめの泉質 | 代表的な温泉地 |
|---|---|---|
| 美肌・美容 | 含食塩硫化水素泉 | 月岡温泉 |
| 疲労回復・養生 | 塩化物泉(日本三大薬湯) | 松之山温泉 |
| 眼精疲労・デトックス | メタホウ酸含有泉 | 貝掛温泉 |
| リラックス・長湯 | アルカリ性単純温泉(ぬる湯) | 駒の湯温泉 |
| 万病の湯・子宝 | 単純ラジウム泉 | 栃尾又温泉・村杉温泉 |
たとえば「最近デスクワークで目が疲れている」という方には、貝掛温泉がおすすめ。
ぬるめの約37度の湯にゆっくり浸かる「目の温泉」として知られています。
逆に「とにかく身体の芯から温まりたい」なら、松之山温泉の濃厚な薬湯が最適です。
こうした泉質ごとの特徴を知っておくと、温泉旅行のプランニングが一段階深くなります。
温泉だけじゃない、新潟のハイエンドアクティビティ
新潟の魅力は温泉と食だけではありません。
自然のスケールを活かした上質なアクティビティが、実はかなり充実しています。
佐渡島サイクリング
佐渡島の外周を一周する「サドイチ」は全長210km。
日本有数のロングライドコースとして、サイクリスト憧れの地です。
ただし体力に自信がなくても心配無用。
電動アシスト自転車「エコだっチャリ」を使ったカジュアルな観光サイクリングも整備されています。
日本海の青と山の緑を同時に眺めながら走る時間は、何にも代えがたい爽快感があります。
途中の漁港で水揚げされたばかりの魚介を食べたり、たらい舟体験を挟んだり、寄り道しながら走るのが佐渡サイクリングの醍醐味です。
佐渡島は2024年に佐渡金山がユネスコ世界遺産に登録されたことで、注目度が急上昇中。
サイクリングと世界遺産巡りを組み合わせれば、かなり充実した1日になります。
ルートの詳細はにいがた観光ナビのサイクリングページで確認できます。
信濃川ウォーターシャトル
新潟市内を流れる信濃川を、船で移動するクルーズ体験です。
国の重要文化財「萬代橋」をくぐりながら、水上から街並みを眺める約45分の周遊便があります。
観光客向けの派手なクルーズとは趣が異なるのがポイント。
地元の人たちの日常風景を水面から静かに楽しむ、落ち着いた大人の遊び方です。
夕暮れ時の便がおすすめで、信濃川に映る夕日は絵になります。
万代シテイや朱鷺メッセといった新潟市の主要スポットを結ぶ移動手段としても使えるので、観光の足としても便利です。
苗場ドラゴンドラ
日本最長5,481mのゴンドラで、苗場と田代の間を約25分かけて移動します。
眼下に広がる山々のパノラマは、季節ごとにまったく異なる表情を見せてくれる。
春の新緑、秋の紅葉、どちらも息を呑む美しさです。
冬のスキーシーズン以外にこそ訪れてほしいスポット。
空中散歩の非日常感は、新潟のハイエンド体験の中でもインパクトが大きいです。
ゴンドラの中から写真を撮る方が多いですが、肉眼で見る迫力にはかないません。
カメラを置いて、ただ景色に浸る25分間を体験してほしいと思います。
私が組む「新潟極上2泊3日」モデルプラン
温泉、食、アクティビティをバランスよく詰め込んだ、私のおすすめモデルプランを公開します。
1日目:新潟市内〜月岡温泉
- 午前:東京から上越新幹線で新潟駅へ(約2時間)
- 午前〜昼:新潟駅周辺で酒蔵見学(今代司酒造、徒歩15分)
- 昼食:新潟市内でのどぐろの炭火焼きを堪能
- 午後:月岡温泉へ移動(車で約40分)
- 夕方:越の里チェックイン、展望露天風呂でエメラルドグリーンの湯を満喫
- 夕食:宿の懐石料理で新潟の食材を味わう
2日目:南魚沼エリア
- 午前:月岡をチェックアウト、南魚沼方面へ移動
- 昼食:魚沼産コシヒカリの塩むすび(地元のおにぎり専門店で)
- 午後:里山十帖チェックイン、館内のアートや古民家建築を楽しむ
- 夕方:展望露天風呂「天の川」で巻機山の夕景を望みながら入浴
- 夕食:山菜と地野菜メインの創作コース
3日目:アクティビティ&帰路
- 午前:苗場ドラゴンドラで空中散歩(春〜秋シーズン)
- 昼食:越後湯沢駅周辺でへぎそば
- 午後:上越新幹線で東京へ(約1時間20分)
このプランはあくまで一例です。
松之山温泉の玉城屋を組み込むなら2日目の宿を差し替えてもいいし、佐渡島まで足を伸ばすなら3泊4日以上の日程をおすすめします。
旅のポイントをいくつか補足しておきます。
- 新潟の高級旅館は早めの予約が鉄則(特に紅葉シーズンの10月は3か月前に埋まることも)
- レンタカーがあると温泉地間の移動が格段に楽になる
- 日本酒好きなら「ぽんしゅ館」(越後湯沢駅構内)で利き酒してからお土産を選ぶのが効率的
- 冬季は積雪で通行止めになるルートもあるため、事前に道路状況を確認しておくと安心
新潟のハイエンド体験に特化したこちらのページにはアクティビティから宿泊まで、ジャンルを横断して情報がまとまっています。
旅の計画段階で目を通しておくと、自分に合った体験を見つけやすいはずです。
まとめ
新潟は、知る人ぞ知るハイエンド旅行先です。
温泉地数全国3位、酒蔵数全国1位、そして四季折々の贅沢なアクティビティ。
極上の体験に必要な要素が、この一県にすべて揃っています。
温泉ソムリエとして断言しますが、新潟の温泉は泉質のバリエーションにおいて国内随一。
月岡の硫黄泉で美肌を、松之山の薬湯で身体の芯から温まり、越後湯沢のぬる湯でじっくり浮力浴。
一度の旅行では到底味わい尽くせません。
だからこそ何度も足を運びたくなるし、行くたびに新しい発見がある。
「次の旅行、どこに行こうか」と迷っている方。
ぜひ一度、新潟の極上の世界に足を踏み入れてみてください。
温泉、食、酒、自然。
この4つの贅沢を一度に味わえる場所は、日本広しといえど新潟をおいて他にありません。
きっと、リピーターになります。