洋上風力発電とは何か?Influx社に教えてもらう

最終更新日 2024年5月1日 by rosska

風力発電の一種に、洋上風力発電が存在しています。
洋上というのは海洋上の略で、海の上で行う風力発電のことです。
なお、海洋上の略とは言えども水の上を意味している言葉として使われており、大きな湖など海水の上ではなく水の上で行われることを指す言葉でもあります。
水の上に装置を設置して、水の上を渡る風を使った発電をする方法です。

洋上風力発電のやり方

やり方は複数存在しており、基礎を陸地に固定して設置する方法と、基礎部分を水の上に浮かべて行う方法とが存在しています。
陸地に固定する方法の場合、近隣の港湾に固定する方法と、装置を設置する場所の海底に設置する方法など、複数の種類が存在しているのも特徴の一つです。
実際に複数の地域で設置されており、特に観光スポットとして名高い銚子市の発電所は有名といえます。
なお、基礎部分を浮かべて行う浮体式洋上風力発電は実用化まであと少しの所まで来ている状態であり、今後の実用化に期待されている分野です。
実用化されれば海洋上だけではなく、港湾・大きな湖を使って電気を積極的に作れるようになることから、地域環境への負担を最小限にした電力を実現できると考えている人は多いといいます。

洋上風力発電のメリット

陸上よりも地形や建物の影響が少なく大きな風力を活用した発電が可能

水の上に装置を設置して発電を行うメリットは、陸上よりも地形や建物の影響が少なく大きな風力を活用した発電が可能な点です。
海の上は陸地よりもはるかに安定した風が吹いています。
そのため、風を効率よく活用して発電に役立てることで、地域環境をより良い物にするだけではなく、地域で事業を行う事業主にも良い影響を期待できる可能性が高いです。
電力を安くできることで地域への寄与を行うことにより、地域経済の発展なども期待できる可能性が示唆されています。

人類への身体的や景観上のストレスを感じにくい

それ以外のメリットとなるのは、陸上から数キロメートルに設置することが多いことから、人類への身体的や景観上のストレスを感じにくく、トラブルになりにくいことです。
風力などの発電装置の場合、低周波などが発生することにより、近隣の住民の中には電磁波過敏症などの身体的な被害を受ける人もいます。
低周波を騒音として認識することで、騒音公害として訴訟になった件も少なくありません。
そのため、陸地に風力発電を設置することは必ずしもメリットばかりではないといえます。
しかし、海洋上など水上に設置することで低周波などが周囲に拡散しにくくなり、地域住民の心身への負担がなくなる可能性が高いです。
電力を利用する人々が心身の負担を感じにくいことで、よりいっそう多くの人が安心して利用できる発電方法といえます。
風力発電装置は非常に巨大であることから、地域の景観を損なう、美観を損なうと考える人も多いです。
そのため、設置反対の署名運動を行っていた地域もありました。
陸地に設置することで景観上、日照権などのトラブルに発展することは少なくないことから、海洋上に設置する選択を余儀なくされる地域も多いです。
海洋上に設置することで景観にそれほど負担がなく、快適に発電できるようになると感じる人もいます。
よって、多くの人が問題ないと感じることが多いです。

大型の装置を設置し発電能力を高めることができる

水の上に設置することで周囲への負担が少ないことから、大型の装置を設置し、発電能力を高めることができるのもポイントといえます。
発電能力が高ければ高いほど、化石燃料を使った発電をする必要が減少し、自然環境にやさしい発電ができるようになる可能性は少なくありません。
安心して電気を作ることができるため、クリーンなイメージを与えるだけではなく、よりいっそう多くの人が安心して利用できると実感することも多いです。

洋上風力発電の問題点について

建設する上での初期費用がネック

メリットの大きい洋上風力発電ですが、建設する上での初期費用がネックとなり、発電に抵抗がある自治体も少なくありません。
実際に水の底に基礎となる装置を設置することや、送電のために水底へケーブルを設置しなければならないことから、他の発電装置よりも初期費用が高額となります。

定期的なメンテナンスを行わなければならない

また、基礎の部分が海底にあるとはいえ、塩水による塩害で故障するリスクが高いため、定期的なメンテナンスを行わなければならないこともネックの一つです。
それ以外にもメンテナンスを行える人材が日本に圧倒的に少ないことも、デメリットといえます。
なお、地場や人体にはそれほど影響のないといわれている洋上での風力発電ですが、漁業への影響を懸念する声も少なくありません。
発電装置を稼働させることにより、地域で今まで取れた魚が取れなくなったという話や、土台部分に新たな貝などが発生してその場で食物連鎖が発生しているという話もあります。

まとめ

日本では一部の地域でのみ利用されている発電方法ですが、海外では欧州を中心に利用している地域が多く、今後のクリーンエネルギーの一環として日本国内から注目を集めているのがポイントです。
近い将来化石燃料などの燃料を使った発電を減らし、その分クリーンエネルギーでの発電を目指すと日本政府が明言しているため、今後多くの地域で導入が行われると推測されています。
台風などの嵐にも問題ない耐久性の高い装置を導入し、地域の発電に大きく貢献できるようにすることが課題です。

 

参考記事
Influx星野敦 洋上風力